自分の気持ちと向き合うという事

「自分の気持ちと向き合うということばの意味をとり間違えていた」

デイケアではこのような発言を時々耳にすることがあります。

 

書店に行けば、心理学や自己啓発の本であふれている現在。

確かに、本を読んで救われた、という方も多いでしょう。

でも、苦しい時、すがるように目にしたことばを、その時の自分に都合の良いように

とり違えてしまう事も少なくないのではないでしょうか?

 

ところが、デイケアの参加が進むとこんな振り返りのことばが出てきます。

「“つらい”という気持ちには気付いていたけれど、気付いただけで

“自分は大丈夫だ、大丈夫だ”と言い聞かせ、結局はふたをしてしまっていた」

ふたをし続けたらいつしかつらさは見えなくなったけれど、

その代わり気分が落ち込んだり、体調が悪くなったり・・・

ふたをしても、見えなくても、つらい気持ちはその方の中に存在し続け、

別の形でSOSを出していたのかもしれません。

 

メンバーの皆さんは日々気付きがあるようです。

例えば、「自分と向き合う」ということばの意味は、“つらい”気持ちに気付くだけでなく、

それを認め、どうして“つらい”のか考えていく事だと。

そこが明確になってくると、「では、どうしたらいいか?」も見えてきます。

 

自分と向き合うのは、時に、勇気が必要な作業となるでしょう。

そんな時、一人で立ち向かう事もできますが、

同じ方向を見て頑張っている仲間と共に、向き合っていく事もできます。

もちろん、スタッフが一緒に考える事もできます。

一人だけでなく、皆で考える事で、思いもよらない解決方法が見つかる事もあります。

つらく、苦しい時だからこそ、皆で支え合うという選択肢も有効なのかもしれません。

8blog_180216

Comments are closed.

Post Navigation